化学肥料は作る側からすると様々なメリットがあります。化学肥料は、有機堆肥のように原料の調達から、完熟堆肥にするまでの手間ひまをかける必要がありません。また、化学肥料は水分も少なくて非常に軽いので、簡単に畑にまくことができます。さらに、化学肥料は栄養がすぐに植物に届いて、効果が短期間に出るというメリットもあります。 しかし、化学肥料の使いすぎは、次の4つの問題点があると考えています。
① 土壌が枯れる、死んでしまう
土の中には数え切れないほどの数の微生物がいます。そしてこの微生物は、植物と共生する中で、大切な役割を果たしています。特に土中のミネラルなどの栄養分をいったん微生物が消化した上で、植物に橋渡しするという大切な役割を担ってくれています。そもそも有機堆肥の有機質は、野菜の栄養というよりは土の微生物のエサともいえるのです。しかし、化学肥料の多用は土の微生物を減らします。すると、土は弾力性を失い、固く、活力のない土地へと変わってしまいます
② 硝酸態窒素とニトロソアミン
化学肥料の中でも一番使用量が多いのが、窒素を補給する目的のものですが、化学肥料を過剰に与え、作物の中で消費しきれない窒素分は、「硝酸態窒素」という形で残留します。この硝酸態窒素は肉などのタンパク質と食べ合わせた場合、ニトロソアミンという発ガン物質を生成することがわかっています。
③ 殺虫用の農薬が増える
硝酸態窒素たっぷりの野菜ほど虫が大好きということにあります。そして虫がいるからといっては農薬を沢山まく必要があります。
④ 美味しくない
窒素分の多い野菜は苦くて美味しくないということです。市販の野菜の中には時々苦いものがありますが、これはそのせいなのです。有機野菜の特徴として、自然な甘さがあります。人参が甘い、玉ねぎが甘い、キャベツが甘い、そして、それらの野菜を私達は「おいしい」と感じます。人が進化する中で体に必要で安全な食べ物を「おいしい」と感じるDNAを獲得してきたのでしょう。
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